wolfCLU 0.1.6をリリースしました。
wolfSSLのコマンドラインユーティリティ(wolfCLU)は、OpenSSLコマンドラインユーティリティの代替として使用できます。
システム管理者やテスト開発者がよく使用する操作を簡単に実現できるユーティリティツールです。証明書の作成と署名、新しい鍵の生成、X509証明書の人間が読める形式への解析など、多くの機能を提供しています。
今回のリリースでは不具合修正のほかいくつかの新機能を追加しましたので、以下にそのいくつかをご紹介します。
ポスト量子暗号のDilithiumのサポートを追加しました
これについては、こちらの記事で詳しく紹介していますのでご参照ください。
RSA公開鍵のみを取り扱うpubin / pubout を追加しました
RSA公開鍵のみを読み込んだり、鍵の公開部分のみを出力したりすることが可能になりました。これは、署名の検証など公開鍵部分のみを持っている場合や、RSA公開鍵を他者に配布するような場合に非常に便利です。
OpenSSLコマンドラインユーティリティと同じ命名規則に従っており、使用するコマンドラインユーティリティを簡単に切り替えることができます。
PEM / DERフォーマットを柔軟に扱えるようになりました
RSA、ECC、ED25519といったすべての対応アルゴリズムを対象としています。
`-inform`フラグを用いて、以下のようにフォーマットを指定します。
`wolfssl rsa -inkey priv.key -inform PEM -sigfile signature.bin -in sign-this.txt -out result`
`wolfssl dgst -inform DER -sign private.ec.der -sha512 -out test.wc.sig test.bin`
これにより、ファイルの署名をより簡単に生成できるようになりました。使用する鍵のフォーマットに制限がなくなり、2つのフォーマット間の変換の手間も不要になりました。
変更点の詳細は、ChangeLog.md(英語)をご覧ください。
ご質問がございましたら、ぜひ info@wolfssl.jp までお問い合わせください。
原文:https://www.wolfssl.com/wolfclu-release-0-1-6