RISC-VとwolfSSL Part 2: ビルド

RISC-VプロジェクトでwolfSSLを使用するための特別な要件や前提条件はありません。以前のブログ記事でお伝えしたように、wolfSSLは私たちの手で1から開発しており、外部のプロジェクトに依存していません。他のTLSライブラリとは異なり、wolfSSLは現在も当初の開発者の監督下で開発・メンテナンスされています。

現在のプロジェクトがコンパイルできる状況でしたら、すぐにwolfSSLを使用できます。手順の要約を以下に示しますが、より詳しい情報をお求めでしたらwolfSSLクイックスタートガイドをご覧ください。

前提条件

ハードウェア:ほぼすべてのRISC-Vボードで使用できます。
ソフトウェア:Ubuntuなどの各種Linuxディストリビューション、RISC-V用GNUツールチェーン、makeやgccなどの開発ツール。

wolfSSLのダウンロード

ソースコード:公式のwolfSSLダウンロードページから最新のwolfSSLソースコードを入手してください。

RISC-V用のwolfSSLのビルド

1. リポジトリのクローン

$ git clone https://github.com/wolfSSL/wolfssl.git
$ cd wolfssl

2. ビルド環境の設定

RISC-V GNUツールチェーンがインストールされ、設定されていることをご確認ください。

3. wolfSSLのコンパイル

クロスコンパイルが必要な状況を除いて、RISC-V用のコンパイルは他のプラットフォーム用とほとんど変わりません。追加情報はINSTALLファイルを参照してください。

$ ./autogen # ソースコードをGitHubから入手された場合のみ必要です。実行する場合,事前にautoconf, automake, libtoolのインストールが必要です。
$ ./configure --host=riscv64-unknown-elf
$ make
$ make install

wolfSSLの設定

カスタムビルドオプション:ユースケースに合わせて、configureコマンドを修正します。例えば、TLS 1.3を有効にする場合は以下のようにします。

$ make install
$ ./configure --host=riscv64-unknown-elf --enable-tls13

以上の手順により、RISC-Vプラットフォーム上でwolfSSLをダウンロード、ビルド、設定し、開発の準備が整いました。

wolfSSLの基本的なコンパイル以外にも、RISC-V CPU向けに様々な拡張と最適化オプションを利用可能です。詳細は近日公開予定のブログポスト「RISC-VとwolfSSL Part 4: カスタマイズと応用」をご覧ください。

パフォーマンス向上のためチューニングが必要でしたら「wolfCrypt/wolfSSLのパフォーマンスを向上させるトップ5のビルドオプション(英語)」をご覧ください。
パフォーマンスを測りたい場合には、「暗号化のベンチマークはどのように行うか?(英語)」をご覧ください。

wolfSSL暗号化ライブラリは、ほぼすべてのRISC-V CPUで動作します。
Radiona ULX3S SoftcoreのHazard3 RISC-Vでの使用例をこちら(英語)でご紹介しています。Hazard3は、Raspberry Pi Pico 2でも使用されています。

ご質問がございましたら、ぜひ info@wolfssl.jp までお問い合わせください。

RISC-VとwolfSSL Part 3: サンプルプログラム」に続きます。

その他のパートはこちらからどうぞ。

原文:https://www.wolfssl.com/part-2-installing-and-configuring-wolfssl-on-risc-v