バージョン 5.6.6 には、4つの脆弱性の修正、障害修正、新機能、およびいくつか機能強化を含んでいます。修正した脆弱性については、脆弱性ページをご覧ください。 このリリースの新機能には、ハードウェア デバイス (STM32WL55) のサポート、ESP32 デバイス (ESP32-C3、ESP32-C6、ESP32-S2) の新しいハードウェア暗号のサポート、改良された DTLS 1.3 セッション再開サポート、SRTP-KDF の新しい実装、および SRTCP-KDF、キャッシュ攻撃に対して安全な AES のビットスライス実装、および memcached のサポートを含んでいます。
また、テストの改善、デフォルトでのTLS 1.1の無効化、CMakeビルドのサポートの拡張、高速なSP数学ライブラリの最適化と新しいアセンブリなど、さまざまな機能強化も行いました。
ChangeLogから抜粋した新機能と機能強化のリストを以下に示します。 修正の完全なリストについては、GitHubの完全な ChangeLogを参照してください。
新機能追加
- CRLの日付チェックを無効にするビルドオプション追加 (WOLFSSL_NO_CRL_DATE_CHECK) (PR 6927)
- STM32WL55のサポート追加とPKA ECCサポート追加(PR 6937)
- DTLS1.3セッション再開におけるクッキー交換をスキップするオプション追加(PR6929)
- SPRT KDFとSRTCP KDF実装追加(–enable-aes-kdf)(PR 6888)
- wolfSSL_EXTENDED_KEY_USAGE_free()関数の追加(PR 6919)
- キャッシュ攻撃への対応としてAESビットスライス実装を追加(–enable-aes-bitsliced)(PR 6854)
- Memcachedサポートを追加(PR 6430), 自動テストを追加(PR 7022)
- ハードウエア暗号化アクセラレータ対応の追加:ESP32-C3,ESP32-C6,ESP32-S2(PR 6990)
- (D)TLS1.3で0.5-RTTデータ対応(PR 7010)
機能拡張と最適化
- “–sys-ca-certs”コンフィギュレーションオプションの組み込みテストの改善(PR 6910)
- Espressif wolfSSLコンポーネントの使用のためにCMakeLists.txt を更新(PR 6877)
- デフォルトでTLS 1.1を無効にする(SSL 3.0またはTLS 1.0が有効でない場合)(PR 6946)
- “–enable-quic”を”–enable-all” コンフィギュレーションオプションに追加(PR 6957)
- 最大64ビットのRSA指数のSP C実装のサポートを追加(PR 6959)
- CMakeビルドのoptions.hに“HAVE___UINT128_T”の結果を追加(PR 6965)
- ハードウェア暗号化命令を使用して、ARM64上のAES-GCM用に最適化されたアセンブリを追加(PR 6967)
- DTLS1.3 PQCの組み込み暗号スイートテストを追加(PR 6952)
- wolfCryptテストと単体テストをctestに追加(PR 6977)
- OpenSSL互換暗号化APIをssl_crypto.cファイルに移動(PR 6935)
- XGMTIME()から生成された時刻の検証を追加(PR 6958)
- wolfCryptベンチマークをマイクロ秒の精度で実行できるように改善(PR 6868)
- nginx 1.24.0でのGitHub Actionsテストを追加(PR 6982)
- 証明書生成中にCA:FALSE BasicConstraintのケースのエンコードを許可(PR 6953)
- DTLS-SRTPを有効にするCMakeオプションを追加(PR 6991)
- QUICとcURLを有効にするためのCMakeオプションを追加(PR 7049)
- RSAブラインディングを改善してコードをより一定時間にする(PR 6955)
- AES-NI 実装マクロをリファクタリングしてCへの動的なフォールバックを可能にする(PR 6981)
- MinGWではデフォルトでネイティブWindowsスレッドAPIを使用(PR 7015)
- OCSP応答チェックからより適切なエラーコードを返すよう改善(PR 7028)
- Espressif ESP32 TLSクライアントとサーバーのサンプルプログラムを更新(PR 6844)
- 各種ESP32チップに対するESP-IDF v5.1のサポートを追加/クリーンアップ(PR 7035、7037)
- 暗号アルゴリズム/署名アルゴリズムに基づいて動的に証明書を選択するためのAPI を追加(PR 6963)
- 再帰的スタイルに一致するようにArduino IDE1.5プロジェクトファイルを改善(PR 7007)
- apple-universalビルドスクリプトの簡素化と改善(PR 7025)
このリリースは弊社ダウンロードページ、あるいはwolfSSL GitHub レポジトリで取得できます。このリリースに関してご質問がある場合には、はinfo@wolfssl.jpまでお寄せください。