
wolfSSL v5.8.2がESPコンポーネントレジストリを通じて正式にリリースされ、利用可能になったことをお知らせいたします。
wolfSSLは、組み込みシステム向けに最適化された軽量で高性能なTLS/SSLライブラリです。IoT、自動車、航空宇宙、その他のリソース制約のある環境で広く使用されています。
v5.8.2の新機能
- セキュリティ強化
暗号化の堅牢性とプロトコル処理を改善する複数のアップデート。 - ハードウェアアクセラレーションサポートの拡張
ESP32およびESP32-C3/C6/S3ターゲット向けの最適化により、Espressifのハードウェア暗号エンジンを最大限に活用。 - 証明書処理の改善
組み込みCA チェーンの機能強化を含む、より柔軟な証明書の読み込みと検証。 - バグ修正と安定性の向上
TLS 1.2/1.3実装全体にわたるさまざまな修正により、よりスムーズで信頼性の高いセキュア接続を実現。 - ESP-IDF互換性
ESP-IDF v5.xの検証済みサポートにより、最新のEspressif SDKとのシームレスな統合を保証。
詳細はwolfSSLリリースノートをご確認ください。
ESP32でwolfSSLを使用すべき理由
- 徹底的なメモリ最適化により、最小限のフットプリントを実現しています。
- TLS 1.3、TLS 1.2を使用できます。
- Espressif APIを使用したハードウェア暗号アクセラレーションに対応しています。
- 規制準拠が求められる環境のために、FIPS対応およびMISRA準拠オプションを提供しています。
インストール手順
idf_component.ymlに、以下を追加します。
dependencies:
wolfssl/wolfssl:
version: "5.8.2"
あるいは、コマンドラインからインストールすることも可能です。
idf.py add-dependency "wolfssl/wolfssl@5.8.2"
サンプルプログラム
すぐにお試しいただけるよう、wolfSSL v5.8.2コンポーネントには、さまざまなユースケースと構成をカバーする豊富なサンプルプログラムを同梱しています。
これらを使用するには、次の手順に従います。
- ESP-IDF環境をセットアップします。
- wolfSSLベンチマークサンプルを取得します。
- cdでダウンロードしたプロジェクトディレクトリに移動します。
- コンパイル、アップロード、出力を確認します。
具体的には、次のようにします。
. ~/esp/esp-idf/export.sh
idf.py create-project-from-example "wolfssl/wolfssl^5.8.2:wolfssl_test"
cd wolfssl_test
idf.py -b 115200 flash monitor
これらのサンプルアプリケーションは、wolfSSLを初めて使用する開発者や、特定のTLS機能やハードウェアアクセラレーションをテストする開発者に最適です。
template 最小限の実行可能なwolfSSLセットアップで、独自のプロジェクトの出発点として最適です。このクリーンでシンプルなサンプルは、最小限の構成でwolfSSLを統合するのに役立ちます。
wolfssl_benchmark ESP32デバイスでwolfcryptベンチマークアプリケーションを実行します。異なるチップや構成における暗号処理のパフォーマンスを測定/比較するのに最適です。
wolfssl_client セキュアサーバー(CLIサーバーまたはEspressif TLSサーバーなど)に接続するTLSクライアントサンプルです。wolfSSLを使用してセキュアクライアントを初期化、構成、実行する方法を示しています。
wolfssl_server クライアントサンプルに対応するTLSサーバーサンプルです。このプログラムはESP32上にセキュアエンドポイントを作成し、TLSハンドシェイクと暗号化通信を処理する方法を示しています。
wolfssl_test wolfcryptテストアプリケーションをESP32向けに移植したものです。環境内のさまざまなコンポーネントのビルドとランタイム機能を検証します。
ハンズオンセッション
Espressif ESP32上のwolfSSLが初めての方は、こちらのウェビナーアーカイブが参考になるかもしれません。
追加情報
現在利用可能なComponent Managerのバージョンを確認するには、次のコマンドを使用します。
python -m idf_component_manager -h
Component ManagerはESP-IDFのインストール中にインストールされているはずです。お使いのESP-IDFのバージョンにIDF Component Managerが付属していない場合は、次のコマンドでインストールできます。
python -m pip install --upgrade idf-component-manager
Espressif Component Managerの詳細については、GitHub idf-component-managerリポジトリをご参照ください。
ご質問がございましたら、ぜひ info@wolfssl.jp までお問い合わせください。
原文:https://www.wolfssl.com/updated-wolfssl-5-8-2-for-espressif-esp-idf-registry
