curlにも耐量子暗号を

量子コンピューティングの実用化を前に、wolfSSLでは耐量子暗号(PQC)の推進に一層注力しています。
「今収集し、後で復号する(Harvest Now, Decrypt Later, HNDL)」攻撃手法にできるだけ早く対処し、データや通信を保護することの重要性は日々高まるばかりです。

量子時代においても通信を確実に保護するため、現在curlのPQCサポートを積極的に強化しています。

wolfSSLは、鍵カプセル化用のML-KEM(FIPS 203, Kyber)やデジタル署名用のML-DSA(FIPS 204, Dilithium)など、NISTにより標準化された耐量子アルゴリズムを実装しています。これらのアルゴリズムは、性能の高さとセキュリティ強度の両方に対する最適化が施されています。

wolfSSLと組み合わせてビルドされたcurlでは、TLS 1.3環境でML-KEMに基づく耐量子鍵交換をサポートします。これにより、暗号領域に特化した量子コンピュータによって将来復号されてしまうリスクを低減させ、長期的な機密性を保つことができます。

また、よりスムーズに移行を実現するために、wolfSSLは既存暗号と組み合わせたハイブリッド暗号にも対応しています。これによりcurlベースのあらゆるアプリケーションにおいて、既存の従来型アルゴリズムと耐量子アルゴリズムを組み合わせて使用することができます。

curlとwolfSSLの組み合わせについては、こちらのプルリクエストをご参照ください。また、耐量子暗号に関するその他の情報は、こちらのページで詳しくご紹介しています。

ご質問がございましたら、ぜひ info@wolfssl.jp までお問い合わせください。

原文:https://www.wolfssl.com/post-quantum-cryptography-with-curl