非常に小さく安価な組み込みARMマイコンチップRP2040、そしてこれを搭載したRaspberry Pi Picoは、もうお試しになりましたでしょうか。
わずか1ドルのデュアルコアARM Cortex-M0+マイクロコントローラーRP2040は、多くの機能と非常によく文書化されたSDKを備えています。
最近、同様の価格でデュアルコアARM Cortex-M33 / RISC-Vマイクロコントローラーを使用したRP2350が後続として登場しました。このチップはRaspberry Pi Pico 2で採用されています。
wolfSSLサポート
wolfSSLは当初より、RP2040の基本的な機能をサポートしていました。そしてwolfSSL 5.7.6で実装を改善し、さらにRP2350もサポートしました。
具体的には、RP2040のPico SDKのPRNGと、RP2350のTRNGのサポートを統合することで、両方のマイクロコントローラーに対してRNG(乱数生成器)のパフォーマンスを向上させています。
RP2350では、コアのRISC-Vモードのサポートも追加しました。
ベンチマーク
性能についてはどうでしょうか。
RP2350における、wolfCryptベンチマークの結果を以下に示します。
クロックはデフォルトの150MHz、ARMモードです。
wolfCrypt Benchmark (block bytes 1024, min 1.0 sec each)
RNG 3 MiB took 1.001 seconds, 2.855 MiB/s
AES-128-CBC-enc 3 MiB took 1.004 seconds, 2.529 MiB/s
AES-128-CBC-dec 3 MiB took 1.000 seconds, 2.588 MiB/s
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RP2040については、デフォルトの125MHzでこのパフォーマンスの約33-50%を期待できます。
wolfBootサポート
私たちはwolfSSLのみならず、RP2350マイクロコントローラーにおけるセキュアブートローディングを可能にするwolfBootの移植にも取り組んでいます。詳細は近日中に発表する予定です。
使用例
Raspberry Pi Picoを対象としたwolfSSLの使用例を、GitHubリポジトリで提供しています。
ご質問がございましたら、ぜひ info@wolfssl.jp までお問い合わせください。
原文:https://www.wolfssl.com/a-slice-of-security-for-the-raspberry-pi-pico