この度、wolfMQTTにおいて通常のWebSocketと暗号化されたWebSocket(wss://)の両方を含むMQTT over WebSocketをサポートしました。WebSocketの詳細については、こちらをご覧ください。
この拡張により、MQTTクライアントはWebSocketエンドポイントを介してMQTTブローカーに接続できるようになり、軽量MQTTクライアント実装の汎用性が向上しました。
MQTTにおけるWebSocketの重要性
MQTTを使用するシステムにおいて、WebSocketを利用できることは以下のような利点をもたらします。
1. ファイアウォール通過性の向上
WebSocketはhttpやhttpsのポート(80, 443)上で動作します。
これらのポートは通常ほとんどのネットワーク環境で開いているため、MQTTポートをブロックする可能性のあるファイアウォールを通過してMQTTトラフィックを流せるようになります。
2. Webアプリケーションとの連携
WebSocketによりWebアプリケーションとMQTTとのシームレスな統合が可能になり、WebベースのIoTダッシュボードやコントロールインターフェースの構築が容易になります。
3. プロキシ互換性の向上
WebSocketはHTTPプロキシを介しても動作します。したがって、ネットワーク通信にプロキシの使用が求められる企業環境においても、MQTTを簡単に使用できるようになります。
4. セキュリティの強化
暗号化されたWebSocket(wss://)はTLS暗号化を活用します。
これにより、TLS上で動作させるMQTTと同じレベルのセキュリティで動作させることができます。
このWebSocket実装は、以下のような著名なMQTTブローカーでもテスト済です。
- Mosquitto
- HiveMQ
- VerneMQ
wolfMQTTへのWebSocketサポートの追加により、幅広いIoTアプリケーションにより適したものになります。具体的には、制限されたネットワーク環境で動作させたい場合や、Webアプリケーションと密に統合させたい場合などです。
この機能は現在、wolfMQTTの最新バージョンで利用可能です。ぜひお手元でお試しください。使用例はこちらからご覧いただけます。
私たちは、MQTTクライアントの軽量性、安全性、効率性を維持しながら、その機能を拡張しようと取り組んでいます。
ご質問がございましたら、ぜひ info@wolfssl.jp までお問い合わせください。
原文:https://www.wolfssl.com/announcing-websocket-support-in-wolfmqtt