wolfSSL は、ECDSAと暗号コールバックを備えた Renesas RX TSIP をサポートいたしました。このアップデートにより、Renesas RX TSIP を搭載した組み込みシステムの柔軟性とセキュリティが向上します。以下は、PR(プルリクエスト)# 7685 で追加された主な変更とアップデートの概要です:
主な変更と機能
1. ECDSA をサポートする Renesas RX TSIP
wolfSSL は、Renesas RX TSIP で ECDSA をフルサポートいたしました。これにより、署名を生成する際の機能が向上します。このアップデートでは、生の R+S 署名のサポートも追加しています。
2. NO_ASN を使用した ECC
次の構成を使用して、ASN.1 エンコードなしで ECC サポートを使用できるようになりました:
‘./configure –enable-cryptonly –disable-rsa –disable-asn –disable-examples’
これにより、ASN.1 サポートが不要な環境でオーバーヘッドを削減できます。
3. Renesas RX TSIP 暗号化構成の修正
WOLFSSL_RENESAS_TSIP_CRYPTONLY および NO_WOLFSSL_RENESAS_TSIP_CRYPT_HASH マクロの問題を修正し、暗号化操作のみが必要な場合にビルドがスムーズに完了するようになりました。
4. wc_GenerateSeed サポートを元に戻す
Renesas RX TSIP の wc_GenerateSeed を元に戻しました。これにより、RX TSIP の更新された RNG との互換性が確保されます。
5. クライアント認証キー データの更新
クライアント認証用の秘密キーを含むサンプル キー データを更新しました。
テスト
上記で紹介した変更は e2Studio IDE を使用してテストしました。クライアントとサーバーのサンプルコードもテストを実施しています。
結論
これらの更新により、wolfSSL の Renesas RX TSIP サポートは拡張され、ECDSA および Raw R+S 署名サポートが含まれるようになりました。これに伴い、柔軟性が大幅に向上し、組み込みシステム向けのビルドの最適化が実現しています。
ご質問がありましたら info@wolfssl.jp までお問い合わせください。
原文: https://www.wolfssl.com/renesas-rx-tsip-with-ecdsa-and-crypto-callbacks/