wolfSSLが持つ、他のSSL/TLSライブラリと比べて特筆すべき点の一つとして、多くのハードウェア暗号化アクセラレータを幅広くサポートしている点が挙げられます。特にNXP i.MX6およびi.MX8プロセッサに組み込まれた暗号化アクセラレータを利用している点を紹介します。i.MX6およびi.MX8でCAAM(Cryptographic Accelerator and Assurance Module)をどのように使用するかは、使用されているOSによって異なり、さらに使用するドライバー(wolfSSL独自のドライバーからそのほかの既存のドライバーに至るまで)によっても異なります。MCUXpresso IDEでは、NXPのCAAMドライバーの使用が活用され、拡張されています。
最近、wolfSSLはNXP i.MX RT1170プロセッサのサポートを追加しました。i.MX RT1170は、産業オートメーションや医療機器などの幅広いアプリケーションで使用できるように設計された強力なマイクロコントローラーです。i.MX RT1170の wolfSSLの新しいポートは、プロセッサの組み込み暗号化アクセラレーション機能(CAAM)を利用して高速かつ安全な暗号化操作を実行します。
全体として、この追加は、i.MX RT1170プロセッサのユーザーにとって、wolfSSLライブラリの大幅な性能改善を意味します。i.MX RT1170のCAAMハードウェア アクセラレータを利用することで、wolfSSLは暗号化操作をオフロードし、CAAM内部のセキュアな領域に暗号化して保管される”Black key”機能を使用してECC操作をより安全にすることができるため、高性能と強力なセキュリティを必要とするアプリケーションにとって理想的な選択肢となります。これらの機能の継続的な開発により、wolfSSLはリソースに制約のある環境向けの主要なSSL/TLSライブラリであり続ける態勢が整っています。
上記についてご質問がある場合は、info@wolfssl.jp までご連絡ください。