wolfTips: 隠しコマンド!? TLSベンチマークテスト

もう一つベンチマークテストプログラムがあることをご存知ですか?

wolfSSLでは、ベンチマークテストのプログラムを提供していることを以前紹介しました。

wolfTips : ベンチマーク・プログラム

 

wolfSSL にはもう一つ別のベンチマークテストプログラムがあります。ソースレポジトリでは、下記に存在します。

/path/to/wolfSSL/examples/benchmark/tls_bench

前回ご紹介したベンチマークテストと区別する為に、TLSベンチマークテストと呼ぶことにします。今回はこのベンチマークテストプログラムをご紹介します。

 

早速、起動してみましょう。wolfSSL のルートフォルダから下記のように実行します。

$./examples/benchmark/tls_bench

 

下記は出力結果例です。

TLSベンチマークテストはServer/Client毎にスレッドを起動します。その後、ローカルマシン上でTLS通信を行いながら性能測定を実施し、デフォルトでは現在有効になっている全ての暗号スートについて測定を行います。

 

各出力項目は下記のような意味です。

上記から分かるように、送受信(write/readコマンド)実行に関する性能、TLS接続(ハンドシェーク)に関する性能を別々に測定しています。

 

これまでに登場した2つのテストプログラムに、TLSベンチマークテストプログラムを加え使用用途を場合分けすると、次のような使い分けが見えてきます。
 
1. 暗号アルゴリズムごとのベンチマークを行う場合
  → /wolfcrypt/test/testwolfcrypt

2. TCP/IP物理層を含む通信全体のベンチマークを行う場合

  → /examples/server/client

3. TLSハンドシェークとメッセージ送受信を区別しベンチマークを行う場合

  → /examples/benchmark/tls_bench

 

暗号アルゴリズム性能のみを評価したい場合、TLS通信も加味して性能測定を行いたい場合など用途にあわせてお使いください。また、デフォルト状態で実行する以外にもオプションスイッチをいくつか持っていますので、使用に際してご質問等ありましたらお気軽にsupport@wolfssl.com までお知らせください。